柳広司

【キング&クイーン】柳広司

キング&クイーン
冬木安奈は元警視庁SPの経歴を買われ「用心棒」として、六本木の小さなバーで働いている。
ホステスに絡む酔客に速やかにお帰りいただくことで、バーの店長に小遣い銭を稼がせる。
そのくらいの「用心棒」だったのだが、知り合いのホステスが「頼まれちゃって」ともってきた仕事から、とんでもない人物をガードする羽目になってしまう。
ひとくせもふたくせもある、チェスの世界チャンピオンの身を守ること。
彼は、その傍若無人な振舞いが原因で、とんでもない人間から狙われているらしい。
彼だけでなく、作中で紹介されているチェス名人たちの奇行ぶりが凄まじい。
絶対に関わりたくないタイプの人たちだけれど、チェス・ファンは彼らを守り、試合の席につかせなくてはならない。これは大変だなあ。
チェスの世界チャンピオンは、誰から狙われているのか、その目的は?
ミステリーの謎解きは、タイトルの【キング&クイーン】がキーワードになっている。
最後に「あっと驚く」どんでん返しも痛快。
警察小説の要素もあり、安奈の元・上司とのやりとりがスリリングで面白かった。
(2010.11.8読了)

柳広司

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【ダブル・ジョーカー】柳広司

ダブル・ジョーカー
ダブル・ジョーカー/蠅の王/仏印作戦/柩/ブラック・バード
【ジョーカー・ゲーム】第二弾。
第二次世界大戦前、日本陸軍の中で秘密裏に設立されたスパイ組織「D機関」。
「D機関」では、難解かつ奇妙な試験をクリアしたものだけに、日本陸軍唯一のスパイとして暗躍した結城大佐が、卓越したスパイ技術を身につけさせて送り出す。
世界に散らばってゆく、結城大佐と同じ匂いを身にまとった若いスパイたち。
D機関の人間離れした仕事ぶりに、暗い時代背景を感じさせないドライでクールな読後感。
物語の中をちらりと横切る結城大佐が、カッコイイ。
「柩」のラストで、結城中佐は再び人情を見せる。ほんの少しだけ。影がよぎるように。
(2010.5月15日読了)

柳広司

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【ジョーカー・ゲーム】柳広司

ジョーカー・ゲーム
ジョーカー・ゲーム/幽霊/ロビンソン/魔都/XX(ダブル・エックス)
第二次世界大戦前、日本陸軍のなかに秘密裏に設立されたスパイ養成学校「D機関」。
優秀な若者を難解な試験によって選抜し、スパイとして鍛え上げ、影の存在として世に送り出す。発案者の結城中佐自身も、かつて優秀なスパイとして暗躍していた過去を持つ。
影の存在として生きることを要求されるスパイは、どんなに優秀であっても栄達を望めるはずもなく、常に命の危険にさらされながら、ひたすら孤独である。
彼らが求めるのは自身の能力を試すためのスリルいっぱいのゲームへの渇望である、らしい。
人間性を失っていた軍隊。その中でも非人間的な機関として嫌われていた「D機関」。
そんな化け物集団の親玉・結城中佐が、ニュートラルな人間性をかいま見せるラストシーンの敬礼。カッコイイゾ。
(2010.4月3日読了)

柳広司

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