風野真知雄

【水の城ーいまだ落城せず】風野真知雄

水の城ーいまだ落城せず

【のぼうの城】と同じ忍城合戦記から題材をとった歴史小説。
西日本を手中にした豊臣秀吉が、小田原の北条氏を倒すべく大軍をひきつれて関東に進出してきた。
大軍勢で押してくる豊臣勢に、関東勢は次々と落城を余儀なくされていく。
北条配下の忍城には、秀吉の懐刀・石田光成の率いる軍が押し寄せる。
光成は兵力を頼みに、落城には二日と半、と宣言。ところが、この忍城、1ヶ月以上もちこたえてしまうのだ。

キャラクターで読ませる【のぼうの城】に対し、こちらは合戦の流れ・地形の様子などがていねいに書かれていて分かりやすい。
忍城城代・成田長親、甲斐姫の性格は、【のぼうの城】と通じるものがあり、
実際に、長親はのらりくらりとした印象をもち、甲斐姫は苛烈な女性だったのだろうと思われる。

湖沼に囲まれた城の構造のためなのか、にわかに集められた百姓中心の軍勢に、空回りさせられる石田三成。
敵将・成田長親のとらえどころのなさに焦り、次々とやってくる味方の援軍にも自分の無能さをさらしているように感じて、さらに焦る。
ドラマ「天地人」の石田三成=小栗旬はハマり役。読んでいる間、光成は小栗旬の顔で登場してきました。
(2009.12月8日読了)

風野真知雄

コメントをどうぞ  |  トラックバックURL:http://kalapanic.com/2009/12/post-1460.php/trackback