海堂尊

【玉村警部補の災難】海堂尊

玉村警部補の災難
とある穏やかな午後、田口センセと玉村警部補が、警視庁のデジタル・ハウンドドッグこと加納警視正の活躍した事件を振り返る…(不定愁訴外来の訪問者)

東京都二十三区内外殺人事件/青空迷宮/四兆七千億分の一の憂鬱/エナメルの証言

短編ごとに【不定愁訴外来の世迷い言】として、玉村と田口の感想がはさまれる。
いかに自分たちが加納の傍若無人さに振り回されているかを愚痴り、そして分かり合えるもの同士、静かに目で語るのだ。

気に入ったのは、【エナメルの証言】。
「生まれ変わりビジネス」の一端を担う「歯科医」の栗田の話。
栗田にかかれば、自分の歯の治療痕を他人の口のなかに再現できる。
淡々と誠実に仕事を仕上げる栗田。栗谷は本当にこの仕事に向いている。
この栗田、最後は四国へ行くのだが、続編があれば嬉しいなあ。
いつかお遍路道をしょんぼり歩く玉村警部補と出会う日は来るのでしょうか。
(2012.6月9日読了)

海堂尊

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【モルフェウスの領域】海堂尊

モルフェウスの領域
桜宮市・未来医学探究センターの地下で、5年間のコールドスリープに入った少年と、
その眠りをを見守り続けた非常勤担当官の日比野涼子。
少年は、病による眼球摘出を目の前に、治療法の確立を待つために、
コールドスリープに入ることを決意した。
間もなくコールドスリープの5年が終わり、少年の目覚めが近づいている。
国内初、そして最後のコールドスリーパーとなる少年。
目覚めた後には何が待ち受けているのか…。

少年の眠りを見守り続けた涼子は、彼を守るために行動を開始する。
静謐で神話めいた眠る少年。かなりフシギな涼子の性格と経歴。
現実感のない舞台だが、実際には法律やら世論やらの雑音に囲まれている。
行政のご都合主義に翻弄される医療現場、海堂氏はここでも吠えている。
前半に出てくる『14歳のレティノですって?』という涼子の疑問が、ものすごーく気になったのですが、この本ではここまででした。

ということは、レティノブラストーマは、幼児期の病気なの?え??
必ず何か仕込んできますねえ。桜宮シリーズは。

(2012.2月14日読了)

海堂尊

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【ナニワ・モンスター】海堂尊

ナニワ・モンスター
大阪のはずれ。浪速市の小さな診療所で、新型インフルエンザ・キャメルの患者が発見された。
まだワクチンが製造されていない新型インフルエンザの国内初の患者。
パンデミックの可能性に、大阪をはじめ、日本中が大混乱に陥る。
空港も厳戒態勢となるなか、さらに浪速市・万台市・極北市・太宰市で罹患患者が見つかった。
それにしても、なぜこの4つの市に限って患者が発見されるのか…。
このインフルエンザ・キャメルの流行のウラ側を、浪速検閲所紀州出張所の喜国、東京地検特捜部のエース鎌形、おなじみの彦根が探り出す。
事件を追うにつれ、政界も絡んだ、新型インフルエンザに絡む陰謀が姿を現し始め…。
個人的な好みとしては、最初の発見者、診療所のおじいちゃん先生にもっと活躍してほしかったな。
いつもの大風呂敷な展開だけれど、笑い飛ばせない部分が、海堂氏の創作なのか、そんな話が実際にあったのか。ちょっと考えてしまいますね。
(2011.7月20日読了)

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【ブレイズメス1990】海堂尊

ブレイズメス1990
【ブラックペアン1998】から2年。
世良は、一年半の外部研修を経て、東城大学医学部付属病院に戻ってきた。
海堂尊作品中、もっとも派手な天才外科医・天城雪彦、登場。
世良は、天城をモナコから連れてくるよう佐伯病院長から命ぜられた。
さらに東城大学に連れ帰ったところで、彼の付き人として行動を共にするよう、辞令を受ける。
佐伯病院長の天城へのタスクは、桜宮に心臓手術専門の病院を立ち上げること。
しかし、現在の桜宮に、この病院はないのだ。
何故、この病院は設立されなかったのだろう。作中ではその結論は出てこない。
後に【極北クレイマー】で地域の医療再生のため、綺羅星のごとくに登場する世良も、まだまだひよっこのままで終わる。
世良を「ジュノ」、高階講師を「クイーン」と呼ぶ、モンテカルロのエトワール・天城雪彦にツイていけない感はあるものの、天城が世良になにを伝えていくのか、さらに見所があるはずなので、こっちの続編も非常に気になる。
現・高階病院長も、まだまだトンガってます。
そして、なんとも初々しい桐生が、ほんのちょっとだけ登場します。
よみながら、海堂尊作品年表が欲しくなってきました。わっかんないわー
(2011.5月17日読了)

海堂尊

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【アリアドネの弾丸】海堂尊

アリアドネの弾丸
舞台は、桜宮・東城大学医学部付属病院。
【極北クレイマー】の後、【マドンナ・ヴェルデ】と時期を同じくしている。
田口センセ、大活躍である。
しょっぱなから、新設される「死後画像診断センター・センター長」に任命、
警察関係者・法医学部の面々との戦いの矢面に立たされる。
思い余った田口センセは、持ち駒として、ロジカル・モンスターを召喚。
冒頭での原因不明のMRIの技術者の死、さらに、とんでもない事件まで起こってしまい…
田口センセも大活躍だが、白鳥が東城大学を守るために八面六臂の妖怪ばりの活躍をする。
今までの登場人物もやってきて、大風呂敷がどんどん広がっていく。
ミステリとしては、事件の発生に、ちょっと無理があるかも。
院内をバタバタ駆け回る白鳥と田口センセの様子は楽しめますね。
せっかくなので、今ドラマを放映している【マドンナ・ヴェルデ】のなかで、
松坂慶子が白鳥とすれ違ってたりすると楽しいのにな、と思ったりしてます♪
(2011.4月25日読了)

海堂尊

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