池井戸潤

【鉄の骨】池井戸潤

鉄の骨
大学の建築学科を出て中堅ゼネコン一松組の建築現場で3年を過ごした富島平太に、
まったく畑違いの「業務課」への辞令が下された。
「業務課」とは、公共工事を受注するための部署、通称「談合課」。
表面的には「脱談合」を装う建築業界だが、談合なしでの受注は叶わない。
1円でも他社より安い受注金額を打ち出すために奔走する「業務課」チーム、
これ以上は下げられないと噛み付かんばかりの下請け業者たち、
生き残りをかけて駆け引きに臨む会社のトップ、
それを影で操る政治家、フィクサー。それを追う検察官。そして銀行。
『ひとつの工事を受注するために、何人もの営業マンたちが必死で工作している。この国が資本主義社会であり、競争がその原理原則であるが故に、それに打ち勝とうとあらゆる策を講ずる。知恵の限りを尽くして、生き抜くためにー。』
そのデッドヒートに、夢中になってしまった。
登場人物もそれぞれに良かったけれど、ワタシとしてはやっぱり、実はヤリ手のおでぶちゃん西田が好きなんだなあ。
7月に放映されるドラマ、西田の役を豊原功補で見たかったかも…。
池井戸作品では【空飛ぶタイヤ】に並ぶ面白さでした。
(2010.5月22日読了)

池井戸潤

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【空飛ぶタイヤ】池井戸潤

空飛ぶタイヤ

トラックのタイヤ脱輪による、歩行者の死亡事故。
後に、財閥系自動車会社の不正を暴くこととなった実際の事件を題材に、
事故をおこした小さな運送会社、自社の不正に直面する自動車会社の社員、銀行員らを
描いた企業小説。

警察からも「トラックの整備不良が事故原因」と決めつけられ、八方塞がりになりながら、
社員に支えられ、必死で会社を守ろうとする運送会社の社長。
この社長や社員にも泣かされるけれど、自動車会社・販売部「沢田」の
せせこましくも良心を捨てきれないところが好きでした。
他にも味のある人間たちが多く、こういう小説が読みたかったんだと幸せいっぱいに…。

読み終わって一番気になったのは、事故車の調査を、その車の会社がやっていたこと。
事故車を製造している会社は、事故の当事者でもあるのに、そんなんでいいの???と
思ってしまいました。 そりゃ、不備があっても隠すよねー。
(2009.2月2日読了)

池井戸潤

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【M1】池井戸潤

M1
高校教師の辛島武史は、教え子の父の会社の倒産を救うため、
主要取引先である「田神亜鉛」が君臨する、田神町へと赴く。
元々商社で企業調査を専門としていた辛島は、町の経済の状況に疑問を抱いた。
田上町で流通する闇の通貨、暴力団の資金洗浄に絡む巨額の取引…
資金が行き詰まるに従い、田神町の経済は急落し、町は破滅的な崩壊へと向かう。

教え子のために、そこまでする辛島に「?」なのですが、
金の流れを操作する、あらゆるテクニックに、ひたすら感服。
世の中には、こんなに複雑なことに関わり、活用できる人がいるのですね。
その頭脳を、人の幸せに使う人もいるし、自分の欲望を満たすためだけに使う人もいる。

タイトル「M1」の意味は、「狭義のマネーサプライ(通貨供給量) を意味する記号で,現金と預金の総量を指す」と、作中で説明されていました。
うーん、分かったような分かんないような。 やっぱり、分からんな。
(2009.1月8日読了)

池井戸潤

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【株価暴落】池井戸 潤

株価暴落


白水銀行に巨額の追加融資を取り付けようとする、大手スーパー「一風堂」。
しかし、経営再建の見込みは難しいと、融資に反対を続ける白水銀行審査部の板東。
その矢先、「一風堂」の店内で、爆破事件が起き、
それを引き金に、暴落していく「一風堂」の株価。
銀行内で、融資続行を主張する企画部の二戸、対する審査部の板東。
二度目の爆破事故。
爆破犯と思われる青年の浮上。
「一風堂」上層部での内部分裂。
さらなる爆破予告、ついに爆破事件の真犯人を追い詰めるが…

視点を変えながら、語られるストーリーは、かなりの迫力。
最後まで気が抜けない、どんでん返し。

お偉いさんて、こんなに自己チューなのかと、現実とオーバーラップしてしまう。
「一風堂」のモデルになったスーパーは、経営陣も一新して、再建に向かってますが。
これからどうなるんでしょうね…

シカフのおすすめ本だったので、読んだこの本。面白かったデス。
シカフのレビューも、乞うご期待♪

池井戸潤

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