林真理子

【下流の宴】林真理子

下流の宴
福原由美子は、20歳になる1人息子に悩んでいた。
それなりの私立中学に入学させた息子が、まさかの高校中退。
その後アルバイトをしたりしていたが、ついに家出、同棲を始めた。
相手は22歳の沖縄の離島出身、高卒、両親は飲み屋を経営しているという。
自分の目論見とはまるで違う人生を歩もうとしている息子に、由美子はパニックを起こしかけていた。
上昇志向の由美子の学歴やら職業に対する偏見っぷりもなかなかだが、
息子・翔くんのヤル気のなさがスゴすぎて、由美子に同情してしまう。
同棲相手のなんとかなるさタイプの珠緒でさえ、翔くんに「もうちょっと将来を考えようよ」とついつい言ってしまうほどだ。

その後、珠緒と引き合わされた由美子は、珠緒を実家ごと罵倒する。
怒った珠緒は、由美子に「そんなに医学部がエラいなら、私が医学部に合格してみせる。医学部に入ったら、翔くんと結婚する」と宣言。
いくらなんでも医学部はムリでしょうと周囲に言われながらも、珠緒は結婚を目指して、猛然と受験勉強を開始する。
必死で勉強をする珠緒のそばで、翔くんは一生懸命彼女を支える。
心優しくまじめで礼儀正しく、そして、まるで先に進もうとする気持ちのない翔くん……。どうなるんだ、翔くん……。

ドラマで見て面白かったので、読みました。
ドラマも小説もストーリーは同じですが、ドラマの方が暖かみのあるラストになっているかな。
この小説の連載は2009年、その頃はまだ、翔くんタイプの若者って少なかったと思う。それがここ1年で当たり前になってきているような…。
由美子の教育ママぶりがおかしくて読んだけれど、翔くんという新しいタイプの人間を書いたところに、林真理子のすごさを感じてしまいました。
(2011.7月28日読了)

林真理子

コメントをどうぞ  |  トラックバックURL:http://kalapanic.com/2012/06/post-2015.php/trackback