朝井リョウ

【桐島、部活やめるってよ】朝井リョウ

桐島、部活やめるってよ
「桐島、部活やめるってよ」。話言葉のようなタイトルから話が始まる。
田舎の進学校。高校2年生の6人が、それぞれの章の主役になるかたちで話が進む。
椰月美智子氏の【市立第二中学校2年C組】に設定と構成がとても似ている。
正直なところ、小説としては【2年C組】の方が上手い。
作者は21歳の大学生。この作品で小説すばる新人賞を受賞。
時間の移動のさせ方、伏線の活かし方など、まだまだ未熟な部分も感じられる作品だ。
巧くはないのだけれど、高校生たちの視点にリアリティがある。
間接的にしか登場しない桐島くんの心の内を、周囲の心の動きからあぶり出そうとする。
そんな登場人物の感情を大切に扱う姿勢に、好感がもてた。
作者は、これから揉まれながら成長していくのだろうなあ。
その姿を想像すると、ここに出てきた高校生たちと重なってくる。
(2010.11月29日読了)

朝井リョウ

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