浅田次郎

【蒼穹の昴】浅田次郎

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中国清王朝の末期、貧しい「糞拾い」の子・春児(チュンル)は、
世界のすべてを手にする昴の宿命をもつ、というお告げを占い師「太白白」から受けた。
同郷の青年・李文秀も、やはり「太白白」から、皇帝に仕えることになる、と知らされる。
疲弊していく大国の末期、度重なる列強各国からの干渉、時代が大きく変化していく中で、
春児・李文秀の転々としていく運命を軸とした、壮大なスケールを持つ物語。

大国清王朝のスケールの大きさが、時間・空間ともに、見事に描かれている。
先月のオリンピックの開会式の中継を見たときも感じたことだけれど、
なんだかんだ言っても、この国のスケールは桁違いに大きい。それだけに、この小説は面白い。

ただ難を言えば、西太后の性格には、無理があったような。
列強各国が清国を植民地化するため都合の良いように、西太后を悪者に仕立て上げた…
この視点は非常に面白いのだけれど、だとしたら、
この小説にあるような、お人よしの単純な女性ではなかったはず。
キーパーソンでもあるので、ここでリアリティーがぐっと欠けてしまったことが、残念だった。

タイトルにあるように、この時代を生きた人が見た「青く澄んだ空」をテーマとしてもっています。
なんとなく、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を連想しました。

この本は、25歳の仕事先のデザイナー・Nさんからの推薦。
若い人からの進められた本だけあって、瑞々しい読後感でした。
はー。やっぱり中国は広いね! (2008.9月12日読了)

浅田次郎

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