オカメインコ/ワインの味が変わる夜/拾った女/夫が彼に、還る夜――。/ 愛されるための三つの道具/エクスワイフ/摩天楼で君を待つ/杏奈という女 十二月も終わりに近づいた寒い晩、夜の樹海に横たわった美しい女性は死んでいた。 ほのかに温かい彼女を連れ帰り、生まれて初めての口づけをした。/拾った女、より。 一週間前まで妻だった女、亜理紗。 …続きを読む
大石圭
背が高く精悍な顔立ちの摩耶と、華奢で色白で可愛らしい百合香。二人は甘美で濃密な 同棲生活をおくっていた。だが、その暮らしが永遠に続くことを願ったのは摩耶だけだった。 時に曝される好奇の視線が百合香には耐え難かったのだ。やがて百合香は別れを告げ、 別れを告げられた摩耶は最後の夜に百合香を殺し、自分も共に死ぬことを決めた。 何を感じたか …続きを読む
香月健太は妻と5歳と6歳の娘たちと、平凡だが幸せな日々を送っていた。だが、 旅行の前夜に侵入してきた男に腹部を刺され、数日間の昏睡から脱した健太は 家族を失っていた。家族を守れなかった自分を責める健太が、復讐を誓った矢先 同一犯による一家惨殺事件が再び起こり、健太は現場を見たいと申し出る。 殺した者と殺された者が交互に語り合いながら …続きを読む
幼い頃から嗅覚の鋭かった柏木薫は、長じて調香師となった。多くの香りに囲まれて 暮らしている薫だったが、彼が求めているものはただひとつ『その薫り』だけだった。 『その薫り』をさせた女は、ごく稀にしか存在しない。薫が17歳の時、電車で出会った 女を殺め、死んでからの方が『その薫り』が更によくなっていくことに気付いてしまう。 そして、連続 …続きを読む
小説家の小林は、主に殺人犯を主人公に、読者をその殺人犯に感情移入させるような小説を 書いていた。熱狂的ファンである一柳の美貌の前に、彼女の書いた小説の指導を引き受けて しまう小林。そして、彼女の自宅に招かれた夜、薬で眠らされ、地下室に監禁されてしまった。 作家になることは不可能と悟った彼女の狂気は暴走、小林に書かせることを選んだのだ …続きを読む
幼い頃から嗜虐的性癖を持つ由紀夫は、17歳で母を失った。ある夜、腹痛に悶絶する 母親が救急車に運ばれ、二度と戻ることがなかったのである。それから14年後、愛する 妻をも失い、南の島のヴィラで娼婦に蝋を滴らせ鞭で打つ日々を過ごしていた由紀夫は、 死んだ母を思わせる女と出会い、娼婦では満たせなかった行為で女を毎夜陵辱する。 由紀夫と女、 …続きを読む
ビストロを経営する京子は、店の一周年の日に足繁く通う客・田島から電話番号を渡される。 田島の好意にこたえたい京子だったが、幼い頃にひどい虐待を受けた彼女の中には様々な 人格が潜んでいた。そして、何より怖ろしいことは、義理の父や恋人を殺したと思われる名も 知らない人格の存在だった。だが、田島を愛し始めていた京子は彼の部屋を訪れてしまう …続きを読む
薔薇色の選択/人生でもっとも長い60秒/幸せの総量は限られている/Last one minute/ ぴったりのセーター/恐ろしい思いつき/誰が赤ん坊を殺したのか?/地獄へ道連れ/ 微笑む老人/解けない謎が、解けた夜/あなたの場合 ・ 君の場合 自室に引きこもった純一が死ぬつもりでベランダから身を乗り出した時、謎の美少女から 「一度だ …続きを読む
空中ブランコのフライヤーを母に、キャッチャーを父に持つ姉弟は、サーカスで育つ。 だが、母の転落事故を機に、姉弟は離ればなれになった。職を転々とする父と暮らし、 社会の底辺を這うように生きてきた弟。水商売をする母親と暮らし、視力を失った姉。 長じて姉弟が再び一緒に暮らし始めたとき、さらなる悲劇が幕を開けた。 なんてスゴイ題名なんでしょ …続きを読む
母親に虐待され捨てられたリョウは、長じて人工妊娠中絶手術の専門医となった。 そして今から三年前、家屋を購入したリョウは、地下室を私的な処刑場に変えた。 多くの料理を注文し、ほとんど手をつけなかったモデル。子供を虐待する若い母親。 池に洗剤を撒き、多くの鯉を殺した男。リョウは自分が死に値すると判断した人間を 地下室に閉じ込め、残忍な手 …続きを読む
ある雨の夜、九年前に一緒にコーヒーを飲んだ佐々木千尋を、直人は突然思い出した。 それは、直人の人生で最も幸福だった瞬間だった。もう一度会いたい。だが、探し出した 千尋は生活に疲れ切った年齢不詳の女になっていた。美しかった彼女を変えたものは? 直人は千尋の近くに越し千尋の家の鍵を手に入れ、今日もベッドの下に潜む。 『もう一度だけ、千尋 …続きを読む
15歳の時に隣家の男に拉致監禁された奈緒子は、男を殺害し地獄から生還した。 だが、奈緒子も家族も二度と元通りにはならなかった。やがて、奈緒子は不妊治療 専門の医師となる。末期癌の母親が入院しているホスピスと、勤務先のクリニック。 その往復以外に奈緒子が行く場所は、ホテルの一室。そこで奈緒子は、所属する SMクラブのM嬢《セリカ》とし …続きを読む
芙季絵は幼い頃、いつも自分の中にいるもう一人の『ふきえちゃん』と話していた。 時がたち、芙季絵は『ふきえちゃん』のことを忘れた。だが、『ふきえちゃん』は忘れ てはいなかった・・・『ふきえちゃん』の怨みが徐々に芙季絵の体を蝕む。芙季絵の 母・季和子は霊力を持つ妹の真理子にすがり、除霊は成功したかに思えたが・・・ 同時に刊行されていたの …続きを読む
七年前のクリスマスイブの夜。長男が家族五人を惨殺、まだ小学生だった姪の首を 切断し、自らも首を吊って死んだ。死ぬ瞬間を録音した、不気味なテープを残して・・・ 殺された少女の名は未来。あかねの親友だった。高校生になったあかねは、強引に 『こっくりさん』に誘われる。指をのせた十円玉は、動き出す。名前は、み・ら・い。 大石作品の『呪怨系』 …続きを読む
「この電車は彼らが占領した」 小田原発の東海道線・快速アクティーは、 茅ヶ崎・平塚間の鉄橋中央で停止した。乗客の中にいた彼らが運転手と 車掌を射殺、電車を占拠したのだ。自らを彼らと名乗る犯人たちは、乗客 全てを一部の車両に閉じ込め、悪意に満ちた殺戮を始めた。 二頁目で既に運転席のガラスが破壊され、あとは一気に最後まで、車内を 中心に …続きを読む
女子大生・川上春菜は、父親の使いで書類を届けるために横浜に向かった。 かつて、父親の会社には大勢の社員がいたが、今では両親だけになってしまい 雑用を申し付けられることがよくあった。早く会社が立ち直って欲しいと願っていた 春菜だったが、書類を受け取った高野から衝撃の事実を知らされる。家族のため 自分は売られ、間もなく「奴隷市場」で競り …続きを読む
1999年6月30日、地上に最後の子供が誕生した。女性が妊娠したという報告は、 世界のどの地域からも全くなくなり、人類の絶滅へ向かうカウントダウンが始まった。 横浜のチャイナタウンで子供を売る、ルル。自殺願望のある裕福な大学生、ユウ。 世界で最後の子供の一人、ジュン。三人がそれぞれの誕生日を迎えた日の正午、 政府からの重大発表を機に …続きを読む
ある午後、少年は色褪せた雑誌が落ちているのを見つけた。頁を開くと、そこには 裸の女性達が、一様に男達に支配され家畜のように扱われている写真があった。 玲奈がいつものように夫と子供を送り出し、宅急便にサインをしようとした時だった。 首筋に何か尖った物が触れたと思った次の瞬間、凄まじい衝撃が玲奈を貫いた。 目が覚めた玲奈に男は言った。玲 …続きを読む
小説を一つ脱稿するたび、小説家は束の間の時間をマカオで楽しむ。昼はホテルで のんびり過ごし、夜はカジノに行く。ある夜、カジノで大勝している時に声をかけてきた ラサから来た少女。その美しさに、小説家は始めて娼婦を買う。年下の少女との蜜月。 だが、いつかは日本に戻らなければならない。いつかは。。。 マカオに来て体を売る少女と、次の仕事が …続きを読む
網膜剥離の診断を受け、小鹿はプロボクサーの現役引退を余儀なくされた。 しかし、彼は光の中でしか生きられない。自分の中に強い暴力的衝動がある のもわかっていた。そんな小鹿にとって、アンダーグラウンドのファイトの世界は とても魅力的だった。殺すか、殺されるかの極限の世界で徹底的に戦いたい。 小鹿はアンダーグラウンドのファイターとなり、無 …続きを読む



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