【雨天炎天】村上春樹

雨天炎天
―ギリシャ・トルコ辺境紀行
ギリシャ正教の聖地・アトス半島と、トルコの国境沿いを車でぐるりと回る旅の2本立て。以前読んだ村上春樹のヨーロッパ紀行【遠い太鼓】が面白かったので借りてみた。
予定調和を期待する観光旅行とは違う、その土地だけの空気に触れるための旅。
ギリシャのアトスは、山と断崖絶壁の半島。修道院ばかりが20もある聖地だ。
千年以上の歴史を持ち、厳格な戒律に守られている。聖地なので、異教徒は特別許可を得て4日間の滞在まで、女性は足を踏み入れることができない。
手つかずの自然がそのまま残されており、観光地化などとんでもない感じだ。
修道院にはそれぞれの個性がある。自給自足の自然食だから、食事が美味しいところもある。しかし、食べることなど徹底して無頓着、ギョッとするような荒々しい修道院も最後に登場する。この修道院のハナシはもう絶対に忘れられない。
村上氏も、ここが一番印象に残っているようだ。
こんなスゴい場所があり、そこで好き好んで生活をしている人がいる。世界は広くて、想定の範囲をはるかに超えている。
トルコ編でも、やはり辺境の地を巡っていく。
国境地帯を通過する旅は不便どころか、かなり危険だ。
貧しくて、のんびりして、度を超して親切なトルコ人。彼らの常識も日本とはかけ離れている。
どちらの旅も快適とはほど遠いけれど、行ってみたくなる魅力がある。
そもそもアトスは女人禁制で入ることすらできないけれど、そういう頑固な土地があることが、嬉しく感じてもしまうのです。
(2010.6月4日読了)

村上春樹

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