【劒岳―点の記】新田次郎

劒岳―点の記
明治39年、日本地図は完成まで、残すところ、わずかとなっていた。
残された空白地帯は、未踏の劔岳山頂を含む、北アルプス立山連峰一帯。
困難を極めるこの一帯の測量に、陸軍測量官・柴崎芳太郎が任命された。

測量に要する作業は、現地の下見、三角点を設置する場所の下見と選定、設置のための材料の運搬、点上の櫓の建設作業、三角点の埋設、、、そして測量である。これらの作業を計画にそって、一帯の三角点を設置・測量していく。
劔岳登頂は、この仕事の一環であり、目的ではない。
厳しい自然にさらされながら、測量官・人夫らは、ただ黙々と任務を全うしていく。

道なき道を登り下り、突風に飛ばされかけ、吹雪のなか道を失い、雪崩に埋もれながらも、体勢を立て直して、ひとつひとつの三角点の測量を行ってゆく彼ら。 劔岳登頂以上に、彼らの地道な努力と謙虚さに感動します。
(2009.8月22日読了)

新田次郎

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