【吉原手引草】松井今朝子

吉原手引草
ひとりの男が、ふらりと吉原の引手茶屋をたずね、お内儀に遊び方を教えてくれと頼む。
話が進むにつれ、男が行方知れずとなった「葛城花魁」のことを探っていることが分かり、
腹を立てたお内儀に、追い出されてしまう。
話はこの後、章立てごとに、吉原に関わるさまざまな人間たちが登場し、
男に語る話で、「葛城花魁」の謎を明かしていく。
各章とも語り手のセリフのみで、男の姿は見えない。男の正体も、謎のまま。
行方不明となったその夕刻、何が起こったのか、花魁の目的はなんだったのか。
本筋以外の吉原にまつわるエピソードも面白い。

はまりました〜!
なかでも、信濃屋の若旦那・茂兵衛の話がよかった。
3年前入り婿として若旦那となった、信濃屋茂兵衛。
婿入り前、一度だけでも贅沢な遊びをさせてやりたいと、
同じくかつて入り婿であった義父の大旦那に吉原に誘われた。
全盛の葛城花魁との夢のような一夜。大旦那は、そのために一財産をはたいた。
こうやって生きていくんだなあとしみじみさせられる話。

去年の暮れ、築地のマダムSさんが推薦してくれました。
直木賞受賞作で人気も高く、8ヶ月待って、図書館の予約順がまわってきました。
やっぱり、好きだわ、江戸時代モノ。 (2008.8月31日読了)

松井今朝子

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